運命の人

サークルの新人勧誘活動の終盤、おそらく最終日だったと思う。1985年私は大学3年生、サッカーサークルの幹事学年となっていた。大学キャンパスには連日、沢山の女子大生が溢れかえっていた。彼女達のお目当てはテニスなどのサークルで、マネジャーを募集しているむさ苦しいサッカーサークルにはなかなか立ち寄って、話しをまじめに聞いてくれる女子大生は少なかった。

その日もなかなか厳しい状況で、連日の男っぽいコンパで疲労感を感じる時間帯だったと思う。後輩が数名の女子大生を連れてきた。その中に、後に妻となる彼女がいた。姿勢よく、すっきりとポロシャツを着た清潔感のある彼女は周囲の着飾った子が多い中で、上品な輝きを放っていたように思う。僕は彼女にすぐに好意を抱いた。

それから試合の見学に何回か来てくれた彼女と僕はデートの約束をした。ゴールデンウィークの頃だったと思う。初デートは横浜、山下公園などを歩いた。すぐにサークルのマネジャーではなく、彼女としてつきあうようになってしまった。それから4年が経ち1989年9月に結婚、彼女から妻に彼女はなった。